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鹿島槍ヶ岳に… 届かなかった訳① (2015年8月) [北アルプス]

15.8.18.1.jpg
燃ゆる剱岳 (撮影2015年8月19日)



※今回の記事はふだんより文章が多めです ^^;














8月18日(火)    くもり 時々 晴れ のち ガス

扇沢無料駐車場 ~ 柏原新道登山口 ~ 種池山荘(テント泊)



午前7時 扇沢無料駐車場。 
生薬系のドリンク剤を一気に飲み干した。
年に数回、体調不良時にお世話になるよしころんのいわゆる特効薬。

食物に対するアレルギーは皆無なのだけど、こと薬に関して私の体はことごとく拒否をする。 市販の風邪薬でさえも。
体調不良の際服用できるのは生薬や漢方系のものにほぼ限られる。
やや風邪気味だった体にいつものように「喝」を入れて欲しかったのだけど・・・

計画では初日のうちに柏原新道を経て種池山荘~爺ケ岳~冷池山荘まで歩く。休憩込7時間半の行程。
しかし頼りだった特効薬の効き目は1時間半前後でみるみるうちになくなってきた。
柏原新道、登山口から種池山荘までの標高差は約1000メートル。コースタイムは約4時間。よく整備された歩きやすい登山道。
急登もあるけれど、ところどころ平坦な箇所もあり、ふだんの体調であれば急登で上がっていた心拍数がそこで落ち着いて、自分のペースを保つことができる。
登り始めて2時間は経っただろうか。 
ふだんのペースよりかなりゆっくり歩いているにもかかわらず、どうにも心拍数が下がらない。息苦しい。
仕方なく一旦立ち止っては水分を補給し深呼吸をしてなんとか酸素を体に取り込もうとするのだけど焼け石に水だ。
いつもはそう汗をかくほうではないのだけれど、汗はぽたぽたと流れ落ち、目の前にはチカチカと星が飛び続けている。
一度しゃがんでしまうと二度と立ち上がれないような気がしたので、立ったままストックに頭をつけては休む。

「どうする? 下山する??」 見るに見かねたパートナーが声をかけた。
『種池山荘までは登る・・・』 よしころん。 

種池山荘まではあと1時間前後のはず。頭痛はない。吐き気もない。大丈夫、登れる! 
今までの経験値と体力貯金が教えてくれた。 
息を深く吸ってとにかくゆっくりと。でもできるだけ休まずに一歩一歩・・・ 
登山口から4時間弱、11時前息絶え絶えで種池山荘に着いた。

『ごめん、今日はこれ以上は無理・・・』 よしころん
「もちろんだよ。その体調でよく登ったよ。しかもほぼコースタイムだし。」 パートナー。

初日は種池山荘のテント場に滞在し、翌日の体調で下山するかもう1日留まるか決めることに。
2泊3日テント泊装備、ザック重量はパートナー19.5キロ。よしころん15キロでした。














15.8.18.2.jpg

小屋でテントの受付を済ませ、ポカリスエットを一気に飲み干した。
テント場にはまだ他にひと張のみ、プライベートを確保できるいい場所を確保できた。
木々に囲まれているので眺望は望めないけれど風の影響が少ない。全体的に平坦地でトイレも近い快適なテン場だ。
(一人一泊¥600、連泊すると二泊目は¥400に)
テントを設置しているうちに心拍数は少しずつ落ち着いてきたけれど、まだ血中酸素量が足りないようで頭がぼんやりしている。


【出逢いその1】

ふと登山道に目をやると見覚えのあるラムダのカメラザックを背負った男性の後ろ姿。

『あれ、先生のような気がする・・・ ちょっと声かけてみるね。』

『菊池先生~~! 』 かなぁ・・・

「おぉ~ 今日からだっけ!?」 やはり師匠 山岳写真家の菊池哲男プロでした。
(菊池先生が顧問のTKフォトクラブによしころんは所属。クラブでは山行計画をメンバーで共有しているのです)

体調不良でこの日の行程は種池山荘までに短縮した旨を伝える。
先生は小屋で昼休憩をされるそうなのであとで小屋で合流することに。














種池山荘より


【再会その1】

小屋の女性スタッフも交え、菊池先生、パートナー、よしころん 歓談していると・・・

「前にどこかでお会いしましたよね。」 女性スタッフのFさん。

『ん~~ どこでかなぁ・・・』 思いだせないよしころん夫婦。

「そうだ・・・雲ノ平・・・ 高天原から歩いてきてましたよね!」

『あの大雨のとき??』

「そうそう! 間違いないです!! 思いだしました!!!」

まだ目の前にいるFさんと雲ノ平での記憶が結びつかないよしころん夫婦。

『ひょっとして、その頃ってちょっと個性的な髪形じゃなかった!?』 よしころん。

「そうです!そうです!!」

『あああああ~~~!!!! お布団がとなりだったソロの女の子!』 よしころん夫婦。

あのときの個性的な髪形の女の子と頭に手拭いを巻いたFさんがなかなか結びつかなかったのですが~
Fさんはその後山好きが高じていくつかの山小屋で勤務。 種池山荘は2年目なのだそう。
筋金入りの山バカぶりです(笑)
こんなことって現実にあるのですねぇ。 もうびっくりです。

よしころん、この頃になると食事も摂れるほどに体調回復していました。

Fさんは登場していませんが、このときの記事はこちら
http://yoshikoronron.blog.so-net.ne.jp/2011-09-08














          
菊池先生と^^







          
Fさんと^^

お2人のおかげで、よしころん体調不良だったことも忘れるくらい楽しい時間を過ごさせていただきましたヽ(^o^)丿
菊池先生はこのあと柏原新道で下山されました。体調に不安のあるよしころんに以下の指示を残し。
軽い高山病の症状にて
・とにかく水分を補給すること!(体調が悪いときは吸収のよいスポーツドリンクがベスト)
・うかつに眠ると呼吸数が落ちて症状悪化の恐れがあるので、このまま15時をすぎるまでは寝ないこと!
・明日は無理をしないこと!














菊池先生とFさんに教えてもらったお花畑を散策♪







  
左 : ハクサンフウロ                右 : ノビネチドリ







ウサギギク







  
左 : ミヤマバイケイソウ               右 : クルマユリ


※続きます~^^


余談・・・

先生が下山する直前、中高年の女性グループが到着。
小屋の方が 「有名な山岳カメラマンの方なんですよ~」 とみなさんに紹介。
あっというまにおばちゃまたちに囲まれる菊池先生。

『山岳写真家』って紹介してくれないとね・・・のちほどボソッとつぶやく先生。

そんな有名山岳写真家に小屋のスリッパを出させ、ランチのトレーを下げさせてしまったよしころん夫婦なのでした ^^;


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コメント 23

achami

経験豊富のよしころんさんにも、体調不良ってあるんですね・・・
それでも15キロを背負って!!!!!
マジ、頭下がりますです。。。

実は・・・来月同じルートでのツアーに参加しますww

by achami (2015-08-25 00:50) 

クロちゃん

よしころんさん、おはようございます。♪
私が先日歩いたコースです~。(=^0^=)/
夏の暑さに負けて、私はバテバテでしたよ。
種池山荘のテント場は平坦で快適な空間ですね。
色んな人と出逢い、楽しい時間が待っていましたか。
そうそう、水分補給はスポドリですよね。
生ビールは美味しいですが、あとが辛いことになります。(*^_^*)
景色も花も微笑んで待っていましたね。(^^)/

by クロちゃん (2015-08-25 06:55) 

g_g

心拍数が上がっても標準タイムで歩けるのは凄いです、それも15キロ背負って。若いから回復も早いんでしょうね。

by g_g (2015-08-25 09:13) 

テリー

一枚目の写真、いいですね。
また、鹿島槍を登りたくなりました。
by テリー (2015-08-25 10:03) 

ちんぐるま

山岳写真家か~~
かっこいいな~~~ ('ω')ノ イツカハ… ナンテネ
by ちんぐるま (2015-08-25 14:44) 

Jetstream

山はまだ、ご夫妻にとっては逃げませんよ。 再チャレンジしてください。 昨年 私は初日種池まで、 翌日サブザックで鹿島槍を往復下山しました。 体調の悪い時はありますよ。  私は小屋泊で10~12KG、日帰りなら8KGくらいです。ふだん15KG背負って歩けれるなら、やがては登られるでしょう難関の山々も問題なし。  先々には楽しみが待ってますよ。 !(^^)!
急登の上りは心拍数が上がるんで、 無理しないペースにもどし、脚運びに合わせ1、2、3とゆっくり息を吸って、ゆっくりゆっくり1,2,3と息をはいてください。  心拍数の上がりは抑えられます。 !(^^)! 水も惜しまずにこまめに飲む。 そして、休む!(笑)
by Jetstream (2015-08-25 21:19) 

CARRERA

鹿島槍は雨の八峰キレット越えて展望のない山頂しか知らないので
今度は天気の良い日に登ってみたい。。。。

若いから回復も早いって書いてコメントありますよ・・・・・^^;
鉄人よしころんさんにもこんな時があるんだ~!
お大事にデス。。
by CARRERA (2015-08-25 23:17) 

ぜふ

鈍感なので何を飲んでも平気ですが、何を飲んでも効きません^^;

by ぜふ (2015-08-26 00:13) 

nousagi

体調悪いのに、よく15キロも背負って登りましたね。
えらいっ!
バッタリも元気を取り戻させてくれてよかった。
それにしても、Fさん、よく覚えていましたね。
きっとよしころんさんがとても印象的だったのでしょうね。(^^)
by nousagi (2015-08-26 13:48) 

よしころん

achamiさん♪
三連休ってめったにない我が家なので、自分自身で体調悪くないもん~
思いこもうとしていたのかもしれません・・・反省。
鹿島槍まで行かれるのかな^^
わたしたちの分もリベンジお願いしまっす ヽ(^o^)丿



クロちゃん♪
こんにちは~^^
わ~~~ クロちゃんも行かれていたのですね! でもって同様に敗退 ^^;
わたしたちは2泊3日だったのに届きませんでした(笑)
冷池山荘のテン場は覗けなかったのですが、トイレまで15分はちょっと厳しいかなぁ ^^;
種池山荘のテン場はこじんまりとしていて、2日間とも快適でした。
ただ広くないのでピーク時は早い者勝ちでしょうねぇ。



g_g さん♪
今回は風邪に体力もっていかれていたようで、どんなにゆっくり歩いても足を上げるだけで心拍が上がる感じでどうしようもありませんでした。
テント設置後はほぼ平常だったのですが、動くとまた・・・^^;



テリーさん♪
鹿島槍はまたのお楽しみとなりましたが、わたしたち的には爺ケ岳がとても気に入りましたヽ(^o^)丿



ちんさん♪
目指せ! (お笑い)山岳画家 ^^v

by よしころん (2015-08-26 14:20) 

山さん

15キロの重量を背負っての山行、お疲れ様です<m(__)m>
体調不良の中での山行は大変でしたね。
山は逃げませんので、また次回に楽しみは取っておきましょう(^^)
by 山さん (2015-08-26 14:46) 

ちぃ

体調不良の登山大変でしたね。でも重い荷物を背負って
コースタイム通りに到着できるよしころんさん、パワフルだなぁ!
その後はだいじょうぶでしょうか?お大事にしてくださいね。
私たちも爺ヶ岳~鹿島槍は登りたいコースです、いつかどこかの山でこんなふうに
お二人に偶然会えたら嬉しいなって思いながら読ませていただきました♪(^-^)♪

by ちぃ (2015-08-26 15:43) 

imarin

大変でしたね!
普段汗をかかないのに大汗で、心拍数も暴れるって、
私も小池新道で味わいましたから、辛さわかります。
あぁ・・でも菊池先生と会えて良かったですね。
一番の気付薬になりそう。
具合悪い時にやみくもに寝てはいけないのですね。
勉強になりました。
by imarin (2015-08-26 16:11) 

hayazou2002

15kg背負って、コースタイムだったら
十分早いと思います。
さすが よしころんさんです。
by hayazou2002 (2015-08-26 20:08) 

tina

こんばんは
無事に帰還できたようで良かったです。
一枚目の燃ゆる劔は、山岳写真家よしころんですね。
素晴らしいです。

by tina (2015-08-26 21:56) 

MIKUKO.

文章も一字一句逃さず拝読。
よしころんさんもしっかり拝見 ^^
とにかくご無事で良かったです。無理しないで下さいね?
カメラマンと写真家の違、シビアな感じが伝わる(笑)
一枚目の写真、実際のその景色を見ているような錯覚です。
素晴らしいですね・・・♪
by MIKUKO. (2015-08-26 23:24) 

よしころん

Jetstreamさん♪
ありがとうございます。
この日は途中から足をあげる動作だけでバクバクだったのでスピードはこれ以上ダウンのしようがありませんでした ^^;
わたしたちはピークへの拘りはないタイプなので、鹿島槍はまた機会があればというかんじです。
爺ケ岳がとってもよい雰囲気だったし、先生に教えていただいた気になるルートができたのでそちらが先になるかもしれません(笑)



CARRERA さん♪
翌日八峰キレット越えてきた方とすれ違いました~
わたしたちは全く興味のないルートですが ^^;
3連休ってめったにないのでちょっと体調不良をおして出かけてしまいました・・・
私が鉄人なら体調はスーパーサイヤ人!?(笑)



ぜふさん♪
35歳過ぎた頃から少しずつ薬がダメになってきました。
受け入れ可能な薬はおかげでとってもよく効きます ^^;



nousagi さん♪
ちょっとがんばりました ^^;
はい。お二人とのバッタリ効果は大きかったですヽ(^o^)丿
Fさん、わたしたちは言われてからも???
女性のヘアスタイルって印象大きいものですね。
わたしたちは4年前と風貌はそう変わっていないようでよかった(笑)

by よしころん (2015-08-27 07:31) 

よしころん

山さん♪
ありがとうございます^^
わたしたちは特にピークに拘ってはいませんので、これはこれで楽しかったです。
また機会あれば行ければいいかなという感じで。
無理のきかない年齢になりつつあります。



ちぃちゃん♪
いつもありがとう^^
まだ少し咳が残っていますがほとんど大丈夫です。
我が家はめったに連休がないので、だましだまし登ってしまいましたが、無理のきかない年齢を痛感しました。
わたしはもうその心配はないのだけど、女性の日もやめておいたほうが賢明です。
何度か痛い目にあっています(><)
いつかどこかでバッタリできると楽しいね~ヽ(^o^)丿



imarin さん♪
ありがとうございます^^
そうなんです。 菊池先生に会えたことが一番の気付薬だったと思います。
高山病の症状の際はすぐに寝るのはよくないみたい。
呼吸数が減って酸素を取り込む量が減ってしまうのだそう。
申請もしていないのに三連休なんて数年に一度あるかないかの出来事なのでちょっと無理おししてしまいました ^^;

by よしころん (2015-08-27 10:04) 

Hide

燃ゆる剱岳は素晴らし〜〜い写真です!
菊地先生も、こんな素敵な写真を撮れる生徒さんが居る事を
さぞ、ご自慢なんでしょうね。私もちょいと登ってみようかと
思いましたが足腰が痛いので、暫くは止めておきます・・・><
早く体調を整え、また素晴らしい写真を、お待ちしております。
by Hide (2015-08-27 17:21) 

よしころん

hayazou2002 さん♪
ふだんと違って途中一枚も撮っていませんので ^^;
15キロまではなんとか大丈夫なのですが・・・



tina さん♪
菊池先生を拝見していると、気合いというか情熱というか、違うのですよねぇ。
比較対象にもならないのですが~~~



MIKUKO.さん♪
長文を拝読いただきありがとうござります m(__)m
無理の効かない年齢になってきたのだなを実感した出来事でもありました。
カメラマンではなく写真家。
そのレベルに達する道は一筋縄ではなかったと。
一枚目ありがと~ヽ(^o^)丿



Hide さん♪
ありがとうございます~♪
う~ん、残念ながら私は自慢の生徒レベルではありませんね。
周りのみなさん本当にすんごいのですよ。
いつもいつもまだまだと思い知らされています。
足腰よくなられたらちょいと登られてみてください^^v

by よしころん (2015-08-27 20:25) 

てばまる

体調悪い中、よく頑張りましたね~!
しかし15㎏って・・・ 最近は軽量化を重視してカメラ入れても12㎏くらいな私のテント泊(1泊)からみると凄すぎます!!

今のところ上ってる最中に酷い体調不良はないですが、夜中に星を見るのに飛び起きたら心拍数が半端なく上がって、目がチカチカしたことがあります。

レポ続きが気になります・・・。


by てばまる (2015-08-27 22:13) 

山子路爺

もう回復しましたか?
次のページは結婚式……体調不良と言っていられませんよね。

山で出会った人に山で再会する……これサイコーですよね。

by 山子路爺 (2015-08-28 11:17) 

よしころん

てばまるさん♪
ご存知のとおり我が家は連休がめったにないので、ちょっと無理をおしてしまったかも・・・
しかし12キロって!?
テントに食料や水、カメラ、レンズ、三脚入れて!?
どうすればそんな重量になるのでしょう・・・
う~~~~ん ^^;



山子路爺さん♪
咳が少し残っていますが、ほぼ大丈夫です ^^v
そうなんです、今年のメインイベントが控えていましたのでね❤

このときは不思議な再会目白押しだったのです。
実は2日目にも (*_*)

by よしころん (2015-08-29 19:17) 

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