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谷川連峰主脈稜線縦走 後編 (2013年9月) [谷川岳]

前回からの続きです・・・

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主脈稜線上には 「オジカ沢ノ頭避難小屋」 「大障子避難小屋」 「越路避難小屋」 「エビス避難小屋」
この4つの避難小屋が点在してます。
「大障子避難小屋」はそのなかで一番大きな避難小屋です。
このあとも避難小屋泊りの方がこられる可能性があるので、自分たちの荷物は小屋の隅に置いておきます。






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谷川連峰にかんぱ~い!!!

「金もいらなきゃ出世もいらぬ。 山さえ登れりゃご満悦。」 (会津駒ヶ岳駒の小屋の手拭いに書かれた言葉です^^)





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ほら、あそこにご満悦中の方が!(笑)






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よしころん、サンダル履きのまま避難小屋の少し先の小ピークまで登ってきました。

山の懐に抱かれ、空を見て風を感じる。 あぁなんて幸せなんだろう。
わたしたちの山歩きは人より早く歩くことや、ピークをこなすことでもない。 五感で山を感じることなんだ。






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この日大障子避難小屋は2人の貸切となりました。 主脈稜線上での贅沢な時間がゆっくりと流れていきます。







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さようなら。 また明日・・・







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夕飯を終え、日が沈むとともに小屋のまわりはガスにまかれ風が強くなってきました。

夜が更けるとともに風はさらに強くなり、ゴーゴーと音をたて、群馬側から新潟へと風が稜線を越えているのが分かります。
小屋はギシギシと音を立て、建付けの良くないドアはキュルキュルと鳴きやみません。
小屋の中に大きな石が置いてあったのは風でドアが開いてしまうのを防ぐためのもの。
それでも時折 「ドン!」 「ガチャン!!」 大きな音とともにドアを開けんばかりの勢いで強風が叩きつけてきます。

『天気予報はそう悪い予報ではなかったのに、なんでこんなにも強風なんだろう・・・』

『これに雨が加わったら明日は停滞かなぁ・・・』

2人して同じことを考えながら朝までうつらうつら眠りました。




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9月10日(火)   ガス+ 強風 のち くもり 

大障子避難小屋~大障子ノ頭~万太郎山~エビス大黒ノ頭~仙ノ倉山~平標山~平標山の家~平標山登山口バス停
(その後JR越後湯沢駅より土合駅へ電車移動)


目が覚めると5時を過ぎていました・・・
1日目のコースを短縮したので、2日目は5時出発の予定だったのですが・・・
これで14時台のバスはアウト。15時台にギリギリ。
平標山の家での素泊まりも視野に入れ、予定より1時間遅れの6時に大障子避難小屋を出発。

風は夜半に比べるとずいぶん弱くなっていましたが、相変わらずの強風。 まわりは真っ白。 
長時間さらされていると、いつのまにかビショ濡れになるタイプの濃いガスに包まれています。
歩きはじめからレインウェアとグローブを装着。 カメラはザックに片づけました。
視界は10~20メートル前後。 登山道は濡れて滑りやすい状態です。
先を焦ることなく、一歩一歩前に進むことに集中!

特に濡れた岩場での下りはゆっくり、ゆっくり確実に下っていきます。
大障子ノ頭、万太郎山、このふたつのピークからの下りは岩場やヤセ尾根、私達には厳しい道でした。
前日疲れた脚で無理をして歩かなくて本当によかったと感じました。

初日に泊まる計画だった越路避難小屋を越え、エビス大黒へ向かう途中の名もない小ピークを登っていたとき・・・
ガスの中から忽然と平標山方面から歩いてこられた単独の男性が現れました。
男性も突然目の前に現れた私達に少し驚いた様子で、

「おはようございます! いや~初めて人に会いました。どこからですか?」

『大障子避難小屋からです。私達も昨日から初めて人に会いました。(笑) どちらから?』

「下からです。」

『おぉ~早いですね~~ 今日はどちらまで?』

「できれば下まで歩きたいんですけど、もうすでに脚が痛くて~~」

こんなめげそうなお天気の日この稜線上で会う人はいないだろうと思っていたので、なんだか同士のような心境です。
お互いの無事を祈ってそれぞれの進む道へと見送りました。






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エビス避難小屋到着しました。 こちらのほうはガスが薄いようで下草も濡れていません。
そろそろカメラを出して歩いても大丈夫そうです。
レインウェアを脱ぎ、小休止をとっていたそのとき、いままでガスに覆われていた登山道が目の前に広がりました。
最後の正念場、仙ノ倉山が目の前にそびえています。






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振り返ると エビス大黒ノ頭 も姿を現しました。 
「ひぃぃ~(><) あんなところ越えてきたんだね。 ガスで下が見えなくてよかったかも・・・」 (よしころんは高所恐怖症)
山頂手前に見えているふたつの大きな三角の岩、あの辺り、片側スッパリ切れているはず。
(主脈稜線上、鎖場はオジカ沢ノ頭直下1ケ所のみ。 他にも要注意箇所箇所多々ありますが、補助の鎖やロープ、ペンキマーク等一切ありません)






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その様子を眺めていると、この日歩いてきた万太郎山から続く縦走路がさぁーっと現れました。
まるで舞台の演出のように、ガスが晴れ、日が射したのです。
「朝から歩いてきた道が見えてる! すごいね!!」
「さっき会ったあの男性もこの景色、きっと見えてるね。」
それはほんの2~3分の出来事。 山は再び白いベールに覆われてしまいました。
ここまで頑張って歩いたご褒美を山から頂いた気分。 さぁ! いざ、仙ノ倉!!

仙ノ倉山で主脈稜線の核心部はほぼ終えます。
この登りがまさに最後の山場! 急斜面を喘ぎながら登りつつも、一歩一歩嬉しい気持ちがこみ上げてくる。

この日は朝からガスと強風の登山道を歩きながら、

『 そら~とキミとのあいだには~ いつ~もつめたいカゼがふく~♪ 』 (ツメタイアメジャナクテヨカッタ・・・)

このフレーズが頭の中をぐるぐる回っていました。
それにしてもガスと風だけで雨が降らなくてほんとよかったな。 
そうは思いつつも辛い気持ちになると、いつも応援してくれている家族や師匠、友人たちのことが浮かんできていました。
大丈夫!まだまだがんばれる!!

そしてついに仙ノ倉山到着。 ヤッター!
5年前、谷川岳に初めて登ったあの日からあこがれ続けた稜線、とうとうここまでやってきました!!
嬉しい、心から嬉しい。 2人で三角点と山頂標識にタッチ。
『あのときの気持ちは一生忘れられないと思う』 パートナー。 もちろん私もそう。

ここまで予定通り歩いてくることができました。
あとは平標山を越え、平標山の家を経由して登山口バス停まで3時間半。
この先は何度も歩いている道。 危険箇所もありません。






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仙ノ倉山~平標山の稜線は草紅葉がはじまり、すっかり秋の気配。 いつもの東芝ランプに挨拶しつつ歩きます。







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山の家で水を補給し、小休止のあと下山開始。 15時20分、バスの時間まで30分を残して平標登山口バス停到着。
2日間に渡る谷川連峰主脈稜線縦走の旅が無事終わりました。
5年間憧れ続けた縦走路はわたしたちの想像以上に厳しくも素晴らしいものでした。
そしてこれからもずっと憧れ続けるであろう路となりました。

越後湯沢へと向かうバスの中 「2日目はほとんど景色が見えなかったからまた歩かないとね!」
どこまでも山バカな2人なのでした。

長いレポを最後までお読みいただき、ありがとうございました^^

ということで10月末までは今まで歩いてみたかった縦走ルートへ、テント担いで旅三昧の予定です(笑)
ご訪問はしばらくnice! のみになると思います。 コメントに対するお返事も遅れますが、どうかお許しくださいませ m(__)m

※コースタイム、登山道の詳細はヤマレコに記載しています。 よろしければ参考になさってください。
 (感想はほぼ同じ内容です ^^;)
 http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-342919.html




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