2015年冬 雲取山 その2 (2015年2月) [奥多摩・奥秩父・奥武蔵の山]
鷹ノ巣山避難小屋
小屋内の温度計は夕方から-5℃を示したままだけど、シュラフの中にさえいれば寒くない。
室内にいても吐く息は常に白い。 トイレは外にあるので夜はヘッドライトを点けて靴をはいていく。
もちろん電気もないので陽が落ちれば室内は真暗。
こんなところに水や食料を背負い、雪道を何時間もかけてわざわざ泊りにくるなんて正気の沙汰でなはないなと我ながら思う。
この日は予想外に長時間のラッセルを強いられ、疲れていたこともあり同宿の男性も含め18時半には眠りについた。
途中顔が寒くて目が覚める。ヘッドライトを点けて時間を確認するとまだ22時前。
お星さま、どうしよう・・・少し頭をよぎったけれど温かいシュラフから出る勇気も気力もない。
呼吸だけできるよう顔までシュラフを覆い再び目を閉じた。
ときおり森を吹き抜ける乾いた風の音が聞こえていた。
ソロの男性が準備を始めた気配で目が覚める。 小屋の中はまだ暗い。 おそらく5時頃だろう。
わたしたちはここを9時に出発しても十分な行程、もうしばらくシュラクの中でウトウト。
男性は明るくなり始めた6時すぎに出発。 「ありがとうございました。 お気をつけて。」 起き上がって声をかけた。
パートナーはもうしばらく眠りたがっていたがはっぱをかけて起きることにした。
軽い朝食を食べ、身支度をし、一晩の宿のお礼に小屋を掃除したあと8時に出発しました。
富士山 おはよう~♪
ありがたいことにこの日の稜線もほぼ無風。
風がない、それだけで精神的安堵感がまったく違う。
途中までは前日歩いた自分たちトレースもある。 ところがルンルンの稜線歩き~という訳にはいかなかった。
相変わらずサクサク歩けるレベルの踏み跡にはなっていないのだ。
ラッセルしなくていい分前日に比べるといくぶん楽なのだけどスピードはでない。
前日踏んでいない七つ石山へ向かう稜線ルートでトレースがまったくなくなった。
吹き溜まりが延々と続いているかんじのものすんごい積雪量(><) 膝や腿のレベルではない。
あ~ こりゃ無理ね。 巻きましょう。(巻く決断はいつも早い 笑)
稜線からいったん外れて七つ石小屋方面に下り、えっちらと登り返して七つ石山到着。
前日同様またもここまで3時間かかってしまいました ^^; (通常1時間半)
午後になっても綺麗に望めている富士山♪
ブナ坂までくると見事に整地された?(笑)トレースが現れました ヽ(^o^)丿 さすが雲取山メインコース!
ブナ坂を少し登った陽だまりでランチ。
「4L持ってきた水が残り2Lになってるから、ここで雪融かして水作るわ。」
『2Lあれば小屋まで持つだろうから、小屋に着いてからゆっくり作ったほうがいいんじゃない。 荷物も重くなるし。』
パートナー 今ここで作ると譲らない・・・
水を確保したいパートナーと少しでも早く小屋に着きたいよしころん。
その場では折れましたけどね。 どう考えても私のほうが合理的だったと今でも思っています(笑)
山頂避難小屋、到着~ヽ(^o^)丿
ブナ坂からはほぼコースタイムで歩くことができました。 やはり整地されたトレースの威力は絶大!
この日一番のりだったので小屋の掃き掃除をして自分たちのスペースを確保。
小屋前のベンチでコーヒーを飲んでいると大きな荷物の男性が「あぁ~疲れた~」といいながら到着しました。
笑顔の素敵な爽やかな若者です。
『お疲れ様~ 泊りですよね。 よろしくお願いします♪』
彼のザック重量は25キロ!(*_*) にもかかわらず小袖駐車場から4時間かからずにここまでやってきました。
ものすごいパワーと脚力です。 6Lの水を担いでいたので彼は通称6Lさん(笑)
山頂付近も雪どっちゃり!
前日作り忘れたので、5号と6号 ^^v
今日もありがとう^^
この日の避難小屋泊はよしころん夫婦、6Lさん含め計6人。(女性2人、男性4人)
あとの3人を到着順にご紹介♪
連泊されるというおじさま、実業団ロードレーサーというレーサーさん、某山雑誌の校正のK書店さん。
この時期、避難小屋泊のためにやってくる正気ではない個性的な面々(笑)。 面白かったですよ~
また明日~♪
日が暮れたあとは小屋での爆笑トーク大会!
連泊のおじさまは早々に休まれていたのですが、あとの5人で「山でのそれあるある!トーク」が続く、続く。
すでに小屋の中は真暗闇。 お互いの顔も見えない。
それぞれシュラフ内に寝転がっていたり、ヘッドライト点けて食事をしたりお酒を飲みながらも各々の話にツッコミが入る入る!
教訓 「山屋は山屋を観察していますよ~(笑)」
休まれていた連泊のおじさまには「すみません。夕べはお騒がせしました。」 翌朝お詫びしておきました ^^;
見える人には見える! ラブジョイを探せ!! ^^;
19時過ぎ、星を撮るためだったり、夜景を見るためにそれぞれ外に出てみます。
『ラブジョイ彗星ってまだ見えてますかね・・・』
「あのあたりを撮ってごらん」 奥多摩小屋にテント泊され、星を撮りに登ってきたというおじさまに教えていただきました。
拡大して確認 「わぁ~ 写ってる☆彡」
肉眼で見ることは叶わなかったのですが、おじさまのおかげでなんとか証拠写真残せました ヽ(^o^)丿
ラスト2枚の星空画像はソフトフィルター使用
よしころん、星撮りは机上の知識だけで今までなんとな~く撮っていたのですが、
「ピントはLVを使ってこうやって合わせるんだよ。」おじさまに手取り足取り教えていただくことが出来ました。
おかげで今まであやふやだったことがようやく理解でき万々歳ヽ(^o^)丿
翌朝奥多摩小屋付近にいらっしゃれば再度お礼をと思っていたのですが、すでに発たれたあとのようでした。
-10℃の極寒のなか本当にありがとうございました。
20時半すぎ、小屋に戻ると爆笑トーク大会も終了し、みな寝入っていました。
6人の熱気のためかこの日の小屋内の気温は-2℃。 前日より暖かく眠ることができました。
その3に続きます・・・