前回からの続きです。

9月20日(金)    晴れ#58942;

ヒュッテ西岳(テン場)~水俣乗越~ヒュッテ大槍~槍ヶ岳山荘~殺生ヒュッテ~天狗原分岐~槍沢キャンプ地(テント泊)









3日目の夜が明けた。 今回の山旅のなかで行動時間は一番長くルートも厳しい。 まさに正念場の1日がはじまる。







この日もお天気の心配はなさそう。 風もほとんどない。 山は歓迎してくれているようです。
 

【表銀座は道が整備されており危険箇所もなく歩きやすい】  某山雑誌に紹介されていた一文です。

『どう見ても危険箇所だらけじゃん・・・』 ヒュッテ西岳のテント場から東鎌尾根を望んだとき私はそう感じました。
高所恐怖症のよしころん、ヤセ尾根ってだけでも嫌なんだけど、槍までのアップダウンも半端ない(><)
確か長い三段梯子もあったはず。 歩ききれるかな・・・ 
エスケープするにしても、水俣乗越まではなんとしてでもも歩かないと・・・
翌日のことを思い、悶々としながら眠ったのは私だけではありませんでした。

燕岳のテント場からご一緒している同年代のご夫婦の奥様。
「わたし高所恐怖症なの~~  槍? 前にきたときも登ってないし~(笑) 登ったのは主人だけよ。」
「東鎌尾根、ダメかもしれない~。 いざとなったらエスケープあるものね。」
ヤセ尾根、トラバース、鎖、梯子大嫌い! 恐怖ポイントがよしころんと共通してますぅ~~!!

「昨日から誰に聞いても <東鎌尾根は大丈夫。 問題ない!> って言われるんですよ。」
「隣のテントの男性は北鎌尾根登って東鎌尾根を下ってきたそうで。」 ご主人。

『えぇ~! それ聞く方間違ってますよぉ~~ ^^; (笑)(爆)』

よしころん夫婦は水俣乗越まで歩いたかんじでエスケープするか、そのまま進むかを決めることにしました。
『では今日もよろしくお願いします♪ がんばりましょう! 気を付けて!!』
お互いの健闘を祈って出発しました。






「見て! マチガ沢だよ!!」 ここからの景色、谷川岳西黒尾根から望んだマチガ沢とそっくり!





「ふだん通りに登れば大丈夫」 谷川岳が応援してくれているような気がしました。

水俣乗越は東鎌尾根の鞍部(表銀座縦走路の最低鞍部でもある)。 このあとは基本登りになるのでなんとか大丈夫そう。 
わたしたちはこのまま東鎌尾根を進むことにしました。 このとき私は「窓」にかかる三段梯子の存在を忘れておりました・・・






マジか・・・・・・

山の影の真ん中に自分の姿が棒のように映っています。





実は梯子を降りてからのヤセ尾根のほうが怖かったです。







ヒュッテ大槍を過ぎたあたり^^







とうとうここまでやってきました! ヽ(^o^)丿







真ん中の赤い屋根は 「殺生ヒュッテ」 その少し上、小さな赤い屋根が「ヒュッテ大槍」 その延長に続くのが東鎌尾根。







こちらは裏銀座から延びる 西鎌尾根。 ここも歩いてみたいね♪







槍ヶ岳 ありがとう・・・

精神的、肉体的に余力があれば槍の穂先も行ってみようかな・・・ 
少しだけ思っていましたが、東鎌尾根で精神も肉体も使い果たしてしまいました(笑)
こんな素晴らしいお天気の日に登らないなんて~ そう思われる方もいらっしゃるでしょうが、
東鎌尾根を無事歩ききることができた! その達成感と満足感でいっぱい!!
2人して不思議なほどに槍の穂先へ登らなかったことへの悔いはありませんでした。
このあと槍沢まで下らないといけませんしね。 

初日のタクシーでご一緒だった奈良のおじさまも無事到着されていました。
もう穂先に登られ、ちょうど降りてこられたところだったようです。
おじさまの今後の予定は大キレットを越えて穂高方面。 
「ありがとうございました。 どうぞ気を付けて!」
槍ヶ岳山荘で昼食をとったあと、満足感とともに槍沢へとメインルートを下り始めました。

『そういえば燕岳からご一緒のご夫婦、追いついてこなかったね。 エスケープされたのかな・・・』 
話していると、下から単独の女性が登ってきました。 すると・・・

「あ~~~! 奥さ~~ん~!!!」 単独の女性。 燕からご一緒だった奥様です。

『えぇぇ~~~! なんで???』 よしころん。

「ヒュッテ大槍までは頑張ったんだけど、その先も厳しいってことだったんで、主人にはそのまま行ってもらって、私はいったん下ったの~。 それにしても東鎌尾根本当キツくて厳しかったわね~~。」

3枚前の写真で確認できますが、ヒュッテ大槍からメインルートまではかなり下って登り返しになります。
奥さま、疲れた様子もなく楽しそうに登り返しています。 高所恐怖症山屋のド根性を感じました。

「槍はやっぱりいいわね~~ またどこかでお会いしましょうね~~ヽ(^o^)丿」 

でも奥様、槍の穂先には登りません(笑) 
ご一緒できて本当に楽しかったです♪ お互い高所恐怖症山屋としてこれからもがんばりましょう~~


15時過ぎには無事槍沢キャンプ地(ババ平)到着。 最後の夜が更けていきました。





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9月21日(土)    晴れ#58942;

槍沢キャンプ地 ~ 槍沢ロッヂ ~ 横尾 ~ 新村橋 ~ 徳沢 ~ 明神館 ~ 上高地バスターミナル

槍沢キャンプ地(ババ平)とこちらを管理している槍沢ロッヂは30分位離れているので、
下山時にテン場を利用した際は帰路にロッヂに立ち寄りテント代を支払えればよいシステムとなっています。
ロッヂに立ち寄り支払を済ませたあとは上高地バスターミナルに向けて歩きます。






徳沢のテント場は芝生で気持ちよさそうです♪

この日は三連休の初日ということもあって、このあたりまでくると登山者も観光客も入り交ざってすごい人(><)
登山者もわれ先にとガンガン登ってきます。 (殺気立ってて恐い・・・)
横に広がってしゃべりながら歩くグループ多数・・・ 直前でもよけてさえくれない・・・(せめて一列で歩いてほしい・・・)
ある意味危険エリアだと思いました ↓ ↓ ↓













喧騒をよそに麓には美しく豊かな森が広がっていました。
午前中には上高地バスターミナルに無事到着。 3泊4日の山旅を無事終えることができました。











テントを担いでの表銀座縦走。 4日間通してガスの発生や強風もなく晴天に恵まれました。
悪天では私達にはとても歩ききることのできないルートだったと感じました。
天に山に、お会いした人々に歩かせていただいと感謝の気持ちでいっぱいです。
何度訪れても槍の穂先には登れないかもしれませんが、槍ヶ岳にはまた別のルートで訪れてみたいものです。
次回ルートは高所恐怖症の奥様も大丈夫!とお墨付きをくれた 西鎌尾根が最有力 ^^v






北アルプス、素晴らしい4日間をありがとうございました ヽ(^o^)丿



※10月1日(火)早朝より次の山旅にでます。 毎度毎度で申し訳ありませんがご訪問、コメント遅れます。 m(__)m